本研究の目的は、大きく二つある。①災害・事故のリスクに対する脆弱性が高いと考えられる「社会的弱者」の生活を支える諸制度について、制度の整合性、連続性の観点から分析し、その問題点を明らかにし、②「社会的弱者」の暮らしを守ろうとする人びとの活動を調査すること、である。 研究計画最終年度となる2015年度は、②について区切りをつけ、①に重点をおき、研究の総括を行った。 昨年度の成果を踏まえ、引き続き住宅政策について研究しつつ、生活困窮者に対する支援、その制度についての見当を深めた。特に、2015年4月に新たな生活困窮者支援制度が実施され、その対象には、災害・事故の影響を深刻に受ける社会的弱者が含まれており、支援者には関連した実績をもつ者も含まれていた。この政策動向に関する分析を行った。 すでに公表した業績のなかでも用いているが、自治体の公文書館や情報公開請求における資料収集の成果を踏まえ、実証可能な研究対象を限定し、分析を進めた。
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