平成27年度は,前年度までに実施した調査結果(主にアンケート調査)を整理・分析し,その成果を報告書として取りまとめた。また,報告書を作成する過程の中で得られた知見のうち,とりわけ家族介護者の社会的孤立(ソーシャル・ネットワーク)の特徴については,研究論文として成果を報告した。主な研究知見としては,家族介護者のソーシャル・ネットワーク(保有状況)は大きく3つに類型化(充足型,平均型,孤立型)されること,またソーシャル・ネットワークの規模が最も小さい「孤立型」には男性介護者の占める割合が高く,暮らし向きが不良であること,さらに介護サービスの提供機関(利用事業所)までの距離が遠く,不便であること,などが明らかとなった。この他にも,本研究課題を通じて得られた知見については今後も研究論文等として社会に発信・還元していく予定である。なお,本報告書の成果は,研究協力機関等へフィードバックした。最終的に,これらの成果を取りまとめた上で,本研究課題の目的である男性家族介護者の社会的孤立の予防や早期発見に向けた提案を整理した。
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