本研究は,男性家族介護者の社会的孤立の予防,早期発見に向けた基礎的資料を得ることをねらいに,287名の家族介護者を対象とした質問紙調査を実施した。主な結果として,(1)男性家族介護者は,女性家族介護者と比較して「孤立型」に占める比率が高い傾向にあること,(2)「孤立型」の家族介護者は,近隣者との関係が希薄で,経済的問題を抱えている可能性があり,かつソーシャルサポートが少なく,介護負担感が高いこと,が明らかとなった。これらの結果は,男性家族介護者の社会的孤立の予防に向けた環境づくりの強化に向けた取り組みが必要であることを示唆している。
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