東日本大震災の被災地に居住する住民のソーシャルネットワークについて、経年変化と関連要因を明らかにすることを目的とした。また他地域と比較することで、被災地住民のソーシャルネットワークの水準を検討した。被災地(沿岸地域)のデータは、岩手県内で実施されている被災者コホートと連携して分析した。比較対象となる内陸部のデータは、同県S町で調査を実施し942名から回答を得た。(有効回答率47.1%)沿岸被災地では、徐々にソーシャルネットワークが回復していることが示唆された。他方で、社会的孤立に陥っている住民の存在や、支援が乏しい地域ではソーシャルネットワークが少ない状況にある可能性も推察された。
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