本研究の目的は、地域の子ども・子育て支援に関わる事業を中心に利用者評価を市レベルで実施・定着させるための、利用者評価ツールの開発、評価方法の開発、評価実施体制の構築を行うことである。 兵庫県伊丹市等と連携しながら、修正デザイン・アンド・ディベロップメントの手法に基づき研究を行ってきた。最終年度は1)子ども・子育て支援事業計画実施に伴う事業の再整理、2)利用者評価の実施による利用者評価ツールの試行、3)調査結果報告書の作成、4)利用者評価の定着と普及のためのデータ分析ツール開発、5)利用者評価実施ガイドの作成を行い、成果とした。以下、番号順に概要を説明する。 1)継続的な利用者評価のためには、子ども・子育て支援事業計画記載事業を整理し、利用者評価の実施可能有無の把握、事業目的や実施方法に見合った手法やツールの選択等が必要である。次世代育成支援行動計画の際にも整理を行っているが、子ども・子育て支援事業計画についても、再度区分を見直し、事業整理を行った。2)2年間行った利用者評価ツールの改良結果をふまえて、利用者評価を実施した。平成27年度は、地域子ども・子育て支援事業から2事業を選択した。3)1)の事業の再整理及び2)利用者評価の実施の結果について、本研究全体の目的や意義等を明確にしながら報告書にまとめた。4)利用者評価実施体制構築の一環として、データ分析ツール開発を行った。本分析ツールの使用により、簡便にデータの入力・分析が行えることから、利用者評価の定着と普及に活用できるものである。普及しやすいようDVDで頒布できるようにした。5)定期的な利用者評価実施のために必要な内容をまとめ、ガイドに沿って準備することで、事業分類、評価実施事業の決定、実際の実施と分析に至るまでのすべてのプロセスとその方法がわかるようになっている。4)のデータ分析ツールの使用方法についても解説している。
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