本研究課題では、集団内協力についてのただ乗り問題(社会的ジレンマ問題)を解決に導く方策を提言するため、一人の非協力に対して集団全体に連帯責任をとらせる集合罰がどのような条件下で効果的に機能するのかを明らかにすることを目的とし、実験および調査研究を行った。 研究1では、現実の集合罰状況に近い出来事を想起させることによって、集団アイデンティティおよび集団内協力規範が高まることを明らかにした。研究2と3では、集合罰が効果的に機能するには、協力規範が明示され(研究2)、集団内の成員が互いの行動を統制できる(研究3)という条件が必要であることが示された。
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