従来の目標研究では単一の目標が追及される過程に焦点が当てられてきたが、本研究では多目的状況下における目標活性について検討した。実験の結果、活性化される目標は予防焦点下(不快の回避動機)では促進焦点下(快への接近動機)よりも少数(研究1、研究2)で、現実的であった(研究1)。ただし、この効果は大きくなく(研究2)、インターネット調査などの回答への動機付けが低い環境では逆転した(研究3)。また、促進焦点下では快活さを感じるほど目標数が多くなり、予防焦点下では安心を感じるほど目標数が多くなった。これらの結果は、動機づけの状態や状況によって活性化される目標が影響されるという可能性を示唆している。
|