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2014 年度 実施状況報告書

社会的文脈における自己制御のメカニズムおよび適応機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25780380
研究機関名城大学

研究代表者

原田 知佳  名城大学, 人間学部, 助教 (00632267)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード自己制御 / 社会的感受性 / 社会化 / 社会的適応 / 小集団 / 自己主張 / 自己抑制
研究実績の概要

平成26年度は、下記の調査・実験を行った。

1)社会的文脈における自己制御の発達的変化を検討するため、昨年度調査に協力してもらった中学1年生(本年度の調査実施時は中学2年生)とその担任教師を対象に質問紙調査を実施し、縦断データを収集した。また、昨年度の中学生対象の横断データをもとに、自己制御育成にかかわる諸要因の検討を行ったところ、親の養育やしつけの肯定的影響は中学1年時でのみ確認され,2年,3年時では確認されなかった。一方で,友人や教師の影響は学年を通して確認された。中1ギャップの背景にある環境移行時のストレスへの適応や対人葛藤の解決を促す自己抑制能力を高めるために、教師による子どもへの配慮が有効である可能性が示唆された。

2)集団内で発揮される自己制御について検討するため、大学生を対象とした小集団実験を行った。昨年度のデータでは、小集団を形成するメンバーが知人同士であったため、本年度は、大学新入生を対象に4月に実施することで、事前に相互作用がないメンバー同士で小集団を構成した。当該データについては現在分析・考察を進めている最中であるが、昨年度、基礎的データとして収集したデータをもとに、社会的感受性および自己制御と幸福感との関連を検討したところ、a)実際の他者感情を読み取る程度と、その自己認知は必ずしも一致しないこと、b)社会的感受性と自己主張が共に高い場合に人生満足度が高く、2つの機能の高さは、良好な対人関係の構築と維持に繋がることで人生満足度を高める可能性があることなどが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に引き続き、中学生を対象とした調査を続行することでき、2年間の縦断データを収集できた。また、大学生を対象とした基礎的データの分析および、昨年度の改善点を踏まえた小集団実験を実施できたことから、おおむね当初の予定通り研究が進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

社会的文脈における自己制御の発達的変化の検討については、平成27年度も同一対象者に引き続き質問紙調査を実施することで、3年間の縦断データを得られる見込みである。集団内で発揮される自己制御の検討については、産休・育休終了後に、最終的な実験を行い、ビデオや音声データ等の客観的指標をもとにしたデータ分析を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初、26年度後期にもう一つ実験を実施することを予定していたが、研究代表者の妊娠が判明したため、産休・育休明けに実験を実施することとした。そのため、実験実施に伴う人件費・謝金分の費用が残った。

次年度使用額の使用計画

残金は、産休・育休明けに実施する実験の謝礼およびデータ入力補助等の人件費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] Exploring the Role of Culture in Sexual Objectification: A Seven Nations Study2015

    • 著者名/発表者名
      Loughnan, S., Fernandez-Campos, S., Vaes, J., Anjum, G., Aziz, M., Harada, C., Holland, E., Singh, I., Puvia, E., & Tsuchiya, K.
    • 雑誌名

      International Review of Social Psychology

      巻: 28 (1) ページ: 125-152

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 制御焦点と目標までの時間的距離の知覚の関係性2014

    • 著者名/発表者名
      竹橋洋毅・高沢佳司・原田知佳・服部陽介
    • 雑誌名

      モチベーション研究

      巻: 3 ページ: 2-6

  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (8) ―親・友人・教師エージェントが中学生時の適応的・不適応的社会化指標に及ぼす個別的影響―2014

    • 著者名/発表者名
      吉澤寛之・吉田琢也・原田知佳・浅野良輔・玉井颯一・吉田俊和
    • 学会等名
      日本教育心理学会第56回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2014-11-07 – 2014-11-09
  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (9) ―中学3年間における親・友人・教師エージェントが自己制御に及ぼす影響の変化―2014

    • 著者名/発表者名
      原田知佳・吉澤寛之・吉田琢也・浅野良輔・玉井颯一・吉田俊和
    • 学会等名
      日本教育心理学会第56回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2014-11-07 – 2014-11-09
  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (10) ―養育認知と居住地の認知が中学生の社会化に与える影響―2014

    • 著者名/発表者名
      浅野良輔・吉澤寛之・吉田琢也・原田知佳・玉井颯一・吉田俊和
    • 学会等名
      日本教育心理学会第56回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2014-11-07 – 2014-11-09
  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (11) ―友人関係と教師のエージェント機能における交互作用的影響の検討―2014

    • 著者名/発表者名
      玉井颯一・吉澤寛之・吉田琢也・原田知佳・浅野良輔・吉田俊和
    • 学会等名
      日本教育心理学会第56回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2014-11-07 – 2014-11-09
  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (7) ―親・友人・教師エージェントが中学生時の社会化潜在指標に及ぼす影響―2014

    • 著者名/発表者名
      吉澤寛之・吉田琢也・原田知佳・浅野良輔・玉井颯一・吉田俊和
    • 学会等名
      日本心理学会第78回大会
    • 発表場所
      同志社大学今出川キャンパス
    • 年月日
      2014-09-10 – 2014-09-12
  • [学会発表] 他者感情が読み取れるだけでは幸せになれない?―社会的感受性および自己制御と幸福感の関連―2014

    • 著者名/発表者名
      原田知佳・土屋耕治
    • 学会等名
      日本社会心理学会第55回大会
    • 発表場所
      北海道大学札幌キャンパス
    • 年月日
      2014-07-26 – 2014-07-27
  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (5) ―養育態度と社会的情報処理の関連をめぐる親子ペアデータを用いた検討―2014

    • 著者名/発表者名
      浅野良輔・吉澤寛之・吉田琢也・原田知佳・玉井颯一・吉田俊和
    • 学会等名
      日本社会心理学会第55回大会
    • 発表場所
      北海道大学札幌キャンパス
    • 年月日
      2014-07-26 – 2014-07-27
  • [学会発表] 社会化エージェントの多層的影響に関する研究 (6) ―潜在プロフィル分析を用いたエージェントクラス間の反社会性の比較―2014

    • 著者名/発表者名
      吉澤寛之・吉田琢也・原田知佳・浅野良輔・玉井颯一・吉田俊和
    • 学会等名
      日本社会心理学会第55回大会
    • 発表場所
      北海道大学札幌キャンパス
    • 年月日
      2014-07-26 – 2014-07-27
  • [学会発表] Multicultural Universality in the Protective Effect of Neighborhood Collective Efficacy on Antisocial Behavior: Mediation of Socialization and Unstructured Activities.2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa, H., Yoshida, T., Harada, C., Park, H., Nakajima, M., & Ozaki, M
    • 学会等名
      the 28th International Congress of Applied Psychology
    • 発表場所
      Paris, France
    • 年月日
      2014-07-08 – 2014-07-13

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公開日: 2016-06-01  

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