研究課題
平成27年度は,産休・育休(平成27年5月~平成28年6月)に伴い,研究遂行を一時中断した。ただし,社会的文脈における自己制御の発達的変化を検討するための中学生データについては,昨年度に引き続き,縦断データを収集した。これで,中学1~3年生までの縦断データおよび横断データのセットが揃ったことになる。横断データを用いた分析では,家庭(親),学校(友人・教師),地域社会(地域住民)といった多層的な環境要因のうち,どの要因からも望ましい社会化を促す肯定的影響を受けている子どもは,いずれかの環境要因に偏りがある子どもと比べて,自己主張,自己抑制ともに身につけていることが確認された。また,昨年度収集した小集団実験データを分析したところ,身体活動を伴う課題パフォーマンスについては,社会的感受性が高いグループほど課題成績が低いことが確認され,小集団で行う課題内容の性質によって,社会的感受性や自己制御が集団内でどのように発揮されるかが異なってくる可能性が示唆された。
3: やや遅れている
産休・育休に伴い,研究遂行を一時中断せざるを得なかったため。
社会的文脈における自己制御の発達的変化を検討するためのデータは揃ったため,育休明けに,横断・縦断データの分析を行い,学会発表を行った上で,学術雑誌に論文を投稿する。集団内で発揮される自己制御の検討については,育休明けに,課題内容を考慮した実験を実施し,ビデオや音声データについても収集する。
次年度の育休明け以降に実施する実験費用,および,学会報告のための旅費等に使用する予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件)
心理学研究
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