本研究では、社会的場面でいかに自己を主張できるか、抑制できるかにかかわる能力である社会的自己制御に着目し、青年前期における発達的変化、および集団内で発揮される自己制御機能について検討を行った。分析の結果、(1)中学1~3年にかけて自己主張や自己抑制は直線的に上昇し、とりわけ環境移行期である中学1年時は親や教師との温かい関りが自己制御能力の促進に重要であること、(2)親,地域住民,教師との相互作用が子どもの自己抑制に対し相乗的にポジティブな影響を与えること、(3)感情読み取り能力や自己制御の集団平均値がともに高いグループほど、集団パフォーマンスも満足度も高いこと、が明らかになった。
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