研究課題/領域番号 |
25780385
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
松浦 素子 お茶の水女子大学, 学校教育研究部, 特任講師 (80571489)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | キャリア / 女性 / 再就職 / 両立支援 / ワーキングマザー / ワーク・ファミリー・バランス / 育児期 |
研究概要 |
本研究はインタビューによる質的調査とアンケートによる量的調査を組み合わせることで,専業主婦の再就職に至る移行プロセスに関わる心理社会的要因を明らかにし,再就職を実現するための具体的な心理社会的サポート要因を明らかにすることを目的としている。 今年度は、育児と就労の関連からフォーカスグループを作成し,インタビュー調査によって個人の就労行動の様相を詳らかにし,個人ごとの条件の違いを踏まえて女性の就労移行プロセスにどのような要因が影響するのかについて,社会的(政策,制度など)及び心理的(価値観・態度など)な要因の影響を検討した。さらに来年度の質問紙調査で使用する尺度について、日本語版への邦訳化作業と予備調査を実施した。 インタビュー調査は,6つのフォーカスグループを作成し、各3~4名、合計20名に90分の個別の半構造化面接を実施した。フォーカスグループは、既に子どもが成人して子育てがひと段落した母親と、現在末子が小学生未満の子どもを育児中の母親の2世代で、それぞれ就労移行パターンを、育児期に就労継続、離職し再就職、離職し専業主婦の3タイプに分け、2世代×3タイプの計6つグループに設定した。成育歴や両親の性別しつけやキャリア観、世帯収入や実家の家事・育児サポート状況、また配偶者の価値観や家事・育児協力、本人のキャリア意識や家事・育児観、資格取得や社会活動などについて本人のこれまでのキャリアヒストリーと共に詳細に聞き取った。また子育て支援や両立支援について、利用の状況や困難を感じた点、また求めるサービスについて情報収集を行った。さらに、本人のメンタルヘルスや人生幸福感についても測定した。 さらに時間管理尺度の邦訳版作成のための、予備調査を実施した。原著者より翻訳の許可を得て、翻訳を行った。本尺度の妥当性を検証するため、大学生515名に質問紙調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.インタビュー調査の実施分析:計画通りにフォーカスグループごとの半構造化面談を実施し、データ収集が完了した。現在、データ整理と分析を行っている。 2.尺度の邦訳版作成:予定を早め、次年度実施する質問紙調査に使用する尺度の翻訳を行い、予備調査を実施した。尺度の妥当性の検証に着手しており、当初の予定より前倒しで尺度構成の準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は25年度に実施したインタビュー調査の結果に基づき,調査の仮説構成,使用尺度の決定を行い、ウェブ調査によってデータを収集し、分析する。 インタビューから得られた質的データを分析し,出産や育児を経て就労の継続と離職の違いを生む要因,離職し再就職に至るまでの促進要因と阻害要因についての観点から測定尺度を新規に開発し、その尺度の有効性を検証していく予定である。また社会経済的状況,再就職実現に係る社会的資源・サポート(政策,制度,ネットワークなど)及び心理的要因(価値観・態度,準備性など)の違いについても同時に検討する。 また、25年度に実施したインタビュー調査や予備調査について、学会発表を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
参加した学会が都内で開催され、計上していた旅費の使用がなかったため、当該使用額が生じた。 今年度は、予定通りの調査と国内、国外での学会発表及びセミナー参加を予定している。
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