研究概要 |
やつ当たりに及ぼす関係性の影響を検討した。日常場面におけるやつ当たりの種類と攻撃対象者の種類を収集するため,大学生を対象に想起法を用いたやつ当たりのエピソードに関する質問紙調査を実施した。その結果,やつ当たりの種類は,人に対する言語的攻撃(e.g., 非難する,暴言をはく)が最も多く,次いで,物に対する攻撃(e.g., 机を叩く,物を投げる),人に対する身体的攻撃(e.g., 叩く,蹴る)が多かった。攻撃対象者は,母親が最も多く,次いで友人,きょうだいが多かった。やつ当たりの生起に攻撃者および攻撃対象者の関係性がどのように影響するのかを検討するため,大学生を対象に日記研究を用いた質問し調査を実施した。その結果,攻撃対象者は,友人が最も多く,次いで,母親が多かった。いずれの調査の結果も,攻撃者と攻撃対象者の親密性が高いことがやつ当たりの生起に影響することを示唆する。日記研究における自由記述では,挑発事象後に対処行動(e.g., 気晴らし,発散)を行うことで,挑発事象による怒りやネガティブ感情を低減したと記述したものが報告された。
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