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2013 年度 実施状況報告書

親の養育態度が子どもの社会脳の発達に及ぼす生物学的基盤と世代間連鎖

研究課題

研究課題/領域番号 25780391
研究種目

若手研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

西川 里織  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 特任助教 (40599213)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードメンタルヘルス / 子ども / 社会脳 / 遺伝子 / 発達 / 問題行動 / 顔認知 / 自閉傾向
研究概要

①「親子関係と遺伝子の個人差が子どもの外向的問題に与える影響の解明」の課題では、健常な子ども (3-12歳) を対象に、親子関係、 遺伝子多型が外向的問題(YSR: 非行・攻撃性)にどのように影響しているかを調べることを目的とし、デ ータを収集するために下記の事柄を共通して実行している。a) 質問紙:YSR(子ども)または、CBCL(母親の評価)を使用し、内向的・外向的問題行動、また 8つの尺度(気分の落ち込み・不安、 攻撃性、 思考の問題、 注意力の問題、 非行、 身体の問題、 ひきこもり、 社会性の問題)を測定している。また、親の養育態度を調べるために、両親による養育態度を質問紙EMBU-Cを使用し被験者を対象に、両親の心理的暖かみ、拒絶、過干渉、心配性の得点を測定し各尺度を問題行動、遺伝子多型との関連性を調べている。平成25年度は、長崎市、佐世保市、平戸市、でデータ収集を行った。現在、親から承諾を得た幼児から中学生まで70名から、a)子どものメンタルヘルスの質問紙(11歳以上)、b) 母親による親子関係の評価(10歳児以下)、c) 親の養育態度、を測定する。d) 遺伝子 多型の測定を口内粘膜細胞の採取から行う。
②「遺伝子と環境による子どもの表情識別と問題行動の解明」の課題では、健常な子ども(3-12歳)を対象に 、 遺伝子多型(DRD4、5-HTTLPR 等)が自閉度 と問題行動(外向的・内向的問題)にどのように影響しているかを調べるためのデータ収集を行っている。近赤外線分光法(Near infr ared spectroscopy: NIRS)を用いて、1)顔の表情を読み取る認知課題を行っている時の子どもの脳の反応を計測している。データ収集後、統計的解析を行い、遺伝子多形や子どもの年齢比較をし自閉度(AQ;質問紙)に変化や違いがあるかを調べる。25年度から広島市と長崎市の一般 的な社会集団(幼稚園、小学校、サマーコースなど)に協力を要請して実験を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の現在までの達成度は、広島大学のヒトゲノム倫理委員会に承認され、データ収集を行い、質問紙と遺伝子多型の解析も実施し、ポスター発表を予定するまで進んでいることから、おおむね順調に進んでいると言える。しかし、思ったより研究協力をしてくれる学校や幼稚園が見つからず26年度も大きなデータ収集を継続することが必要とされる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、引き続き学校や幼稚園にて研究協力者をさらに依頼し、サンプル数を増やすことを考えている。サンプル数を最低100に増やさないと、統計学的に問題があり、論文を採択されることが難しい。
さらに、質問紙調査と口腔内粘膜に加え、顔の表情課題を評価する行動実験を実施することも継続する。デ
ータ(質問紙と遺伝子多型(ドーパミン, セロトニン関連遺伝子 等)) の解析を続け、親子関係と遺伝子多型が外向的問題(YSR: 非行・攻撃性)にどのように影響しているか行動方 程式モデリング(SEM)を用いた貢献度分析により検証する。それらの結果をまとめて論文を執筆する。現在の状況を踏まえ、2種類の学術論文を作成することを目標にしている。

次年度の研究費の使用計画

研究協力者が足りなかったため、謝金での未使用額が生じた。
引続き行う実験の協力者への謝金として使用する予定。

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公開日: 2015-05-28  

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