本研究の主要な目的は,問題発見・解決能力を育む教授法開発に向けて,本研究で提案した文脈構成力と問いの生成力との関連を検証することであった(問い-文脈相互構成プロセスの検証)。 主な成果としては,文脈構成力(逆算的文脈構成力)が高い者ほど,「深い問い」の生成率が高く,文脈構成力を高める訓練課題を行うことで,問いの生成力を高めることができることが明らかとなった。また文脈構成力が高い者は,他者の問いを観察することで,考え方の情報を収集できる可能性が高いが,それらの情報を実際に自身が問いを生成する際に活かすには,文脈構成力がさらに十分に高まっている必要があることが示唆された。
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