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2013 年度 実施状況報告書

児童期における言語的な表示規則の発達過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25780395
研究種目

若手研究(B)

研究機関昭和女子大学

研究代表者

田村 綾菜  昭和女子大学, 人間社会学部, 助教 (70617258)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード表示規則 / 言語表出 / 発達過程 / 発達障害
研究概要

表示規則とは、どのような場面でどのように情動を表出すべきかといった情動表出に関するルールのことである(Ekman & Friesen, 1969)。本研究では、言語表出の調整という側面に着目し、多様な場面を含む言語的な表示規則の発達過程を検討することを目的としている。平成25年度は、大学生を対象とした予備調査と小学生を対象とした本調査を予定していたが、実際には、大学生を対象とした予備調査と、中学生および発達障害児を対象とした予備調査を実施した。
大学生を対象とした予備調査では、P-Fスタディを修正した質問紙を用いて、言語表出が調整されやすい場面を選定した。P-Fスタディは、絵画を用いた場面構成で、フラストレーション時における対人的発話を調べ、その反応を分析し、攻撃性の方向と型からその人の性格を診断する質問紙形式のテストである(林, 2007)。予備調査の結果、P-F スタディで用いられている場面では情動をそのまま言語表出することは少なく、全体的に言語表出が調整されやすい場面であるということが示唆され、言語的な表示規則を検討するための課題として、P-F スタディを修正した課題の有効性が示された。また、特に言語表出が調整されやすいと考えられる6場面について分析し、少なくとも2つの調整パターンを確認した。また、中学生を対象に、言語的な表示規則の1つである「謝罪」を抑制する要因を検討する質問紙調査を実施した。その結果、様々な要因の存在が示唆された。さらに、発達障害児を対象に、言語的な表示規則の発達に関わる認知能力を測定する予備調査も実施した。得られたデータについては現在分析を進めている。
これらの成果は、今後の研究を進める上での基礎的データとして重要な成果であり、新たな研究可能性についての示唆を得ることができたという点でも意義のある成果であるといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、大学生を対象とした予備調査を実施できたことと、予定していた小学生を対象とした調査は実施できなかったものの、予定していなかった中学生および発達障害児を対象とした調査を新たに実施することができたことから、おおむね順調であるといえる。

今後の研究の推進方策

予備調査で得られた結果を踏まえて小学生を対象に調査を実施し、発達過程を明らかにしていく。必要に応じて、幼児や中学生を対象とした調査も実施する。

次年度の研究費の使用計画

実施計画に多少の変更が生じたため
消耗品などを購入予定

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Intensive exposure to narrative in story books as a possibly effective treatment of social perspective-taking in schoolchildren with autism.2014

    • 著者名/発表者名
      Tsunemi, K., Tamura, A., Ogawa, S., Isomura, T., Ito, H., Ida, M. & Masataka, N.
    • 雑誌名

      Frontiers in psychology

      巻: 5:2 ページ: 1-8

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2014.00002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 言語的な表示規則に関する予備的検討2014

    • 著者名/発表者名
      田村綾菜
    • 雑誌名

      学苑

      巻: 869 ページ: 83-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学生の謝罪の抑制要因に関する探索的検討2014

    • 著者名/発表者名
      田村綾菜
    • 雑誌名

      昭和女子大学生活機構研究科紀要

      巻: 23 ページ: 129-137

    • 査読あり
  • [学会発表] Children’s understanding of nonliteral language: Irony, white lie and modesty.

    • 著者名/発表者名
      Tamura, A., Tsunemi, K., & Kusumi, T.
    • 学会等名
      2013 SRCD Biennial Meeting
    • 発表場所
      Washington State Convention Center / Seattle Sheraton Hotel, Seattle, Wachington, USA
  • [学会発表] 発達障害児における視点取得トレーニングの長期的影響

    • 著者名/発表者名
      常深浩平・田村綾菜
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      法政大学(東京都)
  • [学会発表] 中学生の謝罪の抑制要因に関する探索的検討

    • 著者名/発表者名
      田村綾菜・三浦香苗
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      法政大学(東京都)
  • [学会発表] Reading fiction and perspective-taking ability in elementary school children.

    • 著者名/発表者名
      Tamura, A. & Tsunemi, K.
    • 学会等名
      the 16th European Conference on Developmental Psychology
    • 発表場所
      Lausanne University campus, Amphimax building, Lausanne, Switzerland
  • [学会発表] 中学生の謝罪の抑制要因に関する探索的検討(2)

    • 著者名/発表者名
      田村綾菜・三浦香苗
    • 学会等名
      第25回日本発達心理学会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)

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公開日: 2015-05-28  

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