• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

被排斥者への共感プロセスにおける心理的痛みの伝染と制御

研究課題

研究課題/領域番号 25780399
研究機関広島大学

研究代表者

中島 健一郎  広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (20587480)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード共感 / 社会的排斥 / 心理的痛み / 社会経済的地位
研究実績の概要

平成26年度は主として(1)平成25年度に実施した,女子短期大学生を対象とした質問紙実験の結果について国内学会と国際学会において発表を行い,さらに国際誌への投稿を行った。そして(2)同一の刺激を用いて,大学生を対象とした質問紙実験を実施した。
まず(1)に関して,文献収集を行った上でより適切な手法による解析を行い,被排斥者の痛みを推測する程度と共感する側の個人が知覚した心理的痛みの程度に正の相関が認められることを確認した。その結果について日本社会心理学会で発表した。次いで,共感の正確性の観点から実験結果を再分析し,社会経済的地位が低い個人が共感の正確性が高いことを見出した。その結果については日本グループダイナミックス学会で発表した。最後に,実験スクリーニングの方法を変更した上で,これらの結果について再検討を行い,スクリーニングの違いによって結果が左右されないことを確認した。その結果についてAnnual Meeting of the Society for Personality and Social Psychologyで発表した。
次に(2)に関して,被排斥者が同じクラスメイトである条件ではなく,被排斥者のことを知らない実験参加者を対象に,同じ手続きを用いて質問紙実験を行った。境界条件を明らかにするためである。現在,実験結果について解析を行っており,平成27年度にはこの実験結果について学会発表を行った上で論文を投稿する予定にしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請計画の2年目であり,本申請課題の根幹をなす心理的痛みの伝染メカニズムをより適切な統計手法によって確かめただけではなく,共感の正確性や社会経済的地位の観点から発展的な知見を得ることができた。その上で,伝染メカニズムの境界条件を探るための質問紙実験を実施することができた。いずれも申請時の計画より順調に進展している。

今後の研究の推進方策

まずは伝染メカニズムの境界条件を明らかにするために平成26年度に収集したデータの解析を行う。その上で,国内学会と国際学会で発表を行い,他の研究者との議論を深めていくことで伝染メカニズムの様相を整理したいと考えている。そして,必要なデータを追加収集するとともに,3年間の研究結果を踏まえた統合的知見を国際誌に投稿する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Subjective socioeconomic status and departmental identity interact to reduce depressive tendencies and negative affective responding for female undergraduates.2015

    • 著者名/発表者名
      Ken'ichiro Nakashima & Kuniaki Yanagisawa
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: 57(2) ページ: 113-125

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Social pain contagion and empathic accuracy2015

    • 著者名/発表者名
      Ken'ichiro Nakashima
    • 学会等名
      16th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology
    • 発表場所
      Long Beach Convention & Entertainment Center, The United States of America
    • 年月日
      2015-02-28
  • [学会発表] 社会経済的地位が低い人ほど排斥された他者の気持ちが分かる :共感の正確性に対する個人差要因の影響2014

    • 著者名/発表者名
      中島健一郎
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第61回大会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2014-09-07
  • [学会発表] World Value Surveyデータを用いたWell-belingの規定因についての検討2014

    • 著者名/発表者名
      中里直樹・中島健一郎・森永康子
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第61回大会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2014-09-07
  • [学会発表] 伝染した心理的痛みと不適応反応に対する感情の媒介効果2014

    • 著者名/発表者名
      中島健一郎
    • 学会等名
      日本社会心理学会第55回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2014-07-26
  • [図書] Handbook on the Psychology of Self-Esteem(Chapter14 Who uses ingroup identification and favoritism for buttering threats to self-esteem, and when do they use it?)2014

    • 著者名/発表者名
      Ken'ichiro Nakahsima
    • 総ページ数
      26ページ
    • 出版者
      NOVA Science Publishers
  • [備考] http://kennakashi.jimdo.com/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi