研究課題
本研究課題の目的は、余暇活動の種類によって認知機能への効果が異なるという予測から、第1に、余暇活動に含まれる「認知的=頭を働かせる」「身体的=身体を動かす」「社会的=人と交流する」要素を定量化し、第2に余暇活動に含まれる各要素と認知機能との関連を検討することであった。H25~H26年度にかけて、余暇活動に含まれる要素を定量化するために、まず高齢者が実施する余暇活動を網羅的に収集し集約した。このうえで、高齢者に余暇活動を実施する際の具体的な行動を聞き取るためのヒアリング調査を行い、それぞれの余暇活動を実施する際に要する資源として「認知的」「身体的」「社会的」といった要素をどの程度必要としているかを評定できる指標を作成した。本指標の妥当性を検証するにあたっては、地域在住高齢者を対象とした調査において、高齢者が実施している余暇活動を尋ね、従来の捕らえ方と同様に余暇活動の種類別の実施数と認知機能との関連の検討と新しく開発した指標を用いて個人の各要素の得点を算出し認知機能との関連を検討した。ここまでの成果の一部は、小園・権藤・小川他により老年社会科学誌38(1)に「余暇活動と認知機能との関連-地域在住高齢者を対象として-」として掲載が決定した。平成27年度は最終年度として、93±1歳の高齢者を対象とした調査を実施した。調査は2016年3月中旬に約400名の参加を得て完了し、現在データを整備している。今後は、本課題の計画に沿って、余暇活動に含まれる各要素が認知機能、精神健康、運動機能に与える影響およびパーソナリティと余暇活動との関連の検討を深めることを予定している。
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老年社会科学
巻: 38 ページ: 未定