精神病早期段階の家族が持つ心理的特徴を解明するために、精神病発症リスク状態(ARMS)と初回エピソード精神病(FEP)の家族の批判的コメントと抑うつ症状、それらの関連要因を検討した。 家族の批判的コメントは比較的少ない一方、うつ病相当の抑うつ症状を持つ家族は3割程度おり、ARMSおよびFEPによる差異は認めなかった。FEPでは批判的コメントと家族の抑うつ症状、ならびに患者の精神症状との関連を認めれたが、ARMSでは認めなかった。 精神病早期段階の家族の批判的コメントと患者/家族自身の要因との相互作用は、精神病症状が悪化する過程の中で形成されると考えられ、病態に応じた介入支援が必要である。
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