研究課題/領域番号 |
25780405
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
白石 智子 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (00453994)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心理アセスメント / 認知行動療法 / 自動思考 |
研究概要 |
Beck(1976)の抑うつ認知理論において,抑うつに直接影響を与える認知と捉えられている自動思考は,臨床・研究の両場面で重視されており,変化の指標とされることが多い。しかしながら,その査定には欧米にて開発された尺度の翻訳版が使用されることが多く,社会文化的側面について考慮されてこなかったといえる。思考は文化的に多様な性質をもつものであり,自動思考の測定には,生態学的妥当性について留意する必要があるだろう。このような状況を踏まえ,申請者はこれまでに本邦独自の肯定的自動思考尺度を開発してきた。本研究では,それに続き,本邦独自の否定的自動思考測定尺度を構成することを目的とする。 初年度(平成25年度)は,予備尺度作成にあたり,本邦独自の否定的自動思考内容を把握した。具体的には,大学生55名を対象に,ネガティブ体験想起時の思考について自由記述を求め,否定的自動思考に相当すると考えられる思考内容を収集した。この手法は,申請者らが開発した本邦独自の肯定的自動思考測定尺度(白石ら, 2007)における予備尺度項目収集法と同様であり,本研究の目的である否定的自動思考測定尺度が次年度に完成することで,生態学的妥当性を意識した否定-肯定両面の自動思考が測定可能になるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初,初年度に計画した内容を進めている。予備尺度作成が途中であるが,計画内容の修正が必要なほどではなく,次年度で計画完了の見通しが立っているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,収集した否定的自動思考の内容を整理し,予備尺度を作成し,大学生を対象として施行。それを基に項目整理等を行い,信頼性・妥当性の検証を経た本邦独自の否定的自動思考尺度を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定してた調査・作業のための旅費が次年度の使用に変更になったため。 次年度に調査・作業のための旅費を使用する。研究計画自体の変更はない。
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