研究課題/領域番号 |
25780409
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
田中 恒彦 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (60589084)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アクセプタンス&コミットメントセラピー / 認知行動療法 / パニック障害 |
研究概要 |
平成23年度では,実施計画に基づき不安障害のためのACT(2013)をもとにACT介入プログラムを作成し,実際に6名の患者に対して予備的にプログラムを実施した。予備的に行ったプログラムに関しては患者からフィードバックを受けプログラムの修正を行った。対照群となる認知行動療法プログラムについても清水ら(2006)のプログラムを元に作成し,実際に4名の患者に対して実施した。こちらについても実施後対象者からフィードバックを受けプログラム修正を行っている。 10名の患者については,1名を除きすべてプログラムを完遂した。8名はパニック症状尺度において,カットオフ値以下まで症状の低下が確認され,COLの上昇も確認された。うち6名が服薬もなくなり,完全に治療終了に至った。 現在はプログラムのワークシートの最終版を作成中であり,教示用のナレーションなども作成が修了している。プログラムの修正に時間がかかったことから,マニュアルの完成が送れている。そのため,実施者の養成作業についても予定よりも遅れが出ている。今後早急に最終マニュアルを確定させ,治療者を養成するとともに,ランダム化比較試験を実施していく。 平成23年度の研究結果は第37回日本行動療法学会でポスター発表され,学術雑誌に投稿予定である。平成23年度の研究は次の3点で重要である。予備研究の結果から①パニック障害患者に対してACTは有効である。②ACTの有効性は既存の認知行動療法プログラムと比較して差がない。③妊娠中など,薬物療法が実施できないパニック患者に対してもACTは有効である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
作成したマニュアルを10名以上の患者に対して実施する予備研究に時間がかかったため,マニュアルの最終版の作成が送れている。また,治療者の養成に遅れが出ている。今後の課題としては速やかにマニュアルの最終版を作成し,治療者の養成を行うことが必要である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,現在作成中の介入マニュアルを完成させ,パニック障害患者を対象に実施する予定である。24年度は,効果研究にエントリをしてもらえる対象者を募るために関西圏でパニック障害に対する市民講座を開催し,パニック障害とその治療についての理解を深めてもらい,治験への協力者を募集する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
マニュアル作成作業が遅れたため,セラピー実施者に支払う予定であった人件費がかからなかった。また,同理由で実施者養成作業が遅れているために費用が発生しなかった。 H26年4月より実施者を1名雇用し,養成ならびに実施を行っていく。また,マニュアル,ワークシートなどを作成する予定である。
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