研究課題/領域番号 |
25780416
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
境 泉洋 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (90399220)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ひきこもり / 認知行動療法 / CRAFT / 行動活性化 / 国際研究者交流 / アメリカ / オランダ |
研究概要 |
ひきこもり本人を対象に行動活性化と抑うつの関連について質問紙調査を行った。調査には,ひきこもり経験者33名(平均年齢28.歳,標準偏差6.70)のうち,男性は22名(平均年齢27.0歳,標準偏差5.84),女性は11名(平均年齢30.0歳,標準偏差8.09)から回答を得た。調査内容は,日本語版BDI-II(Kojima et al., 2002),日本語版PANAS(佐藤・安田,2001),日本語版BADS(高垣ら,2010),日本語版CBAS(高垣ら,2011),日本語版EROS(国里ら,2011)を用いた。調査の結果,の結果,回避行動(CBAS)が環境中の報酬量(EROS)に負の影響を与えているということ,そして環境中の報酬量(EROS)が高まることでネガティブ感情とBDI-IIにそれぞれ負の影響を与えていることが示された。 また,CRAFTプログラムの効果検証を行うために,3例について試行的実施を行った。 3名の性別は女性100%,平均年齢53.0±1.0歳,ひきこもり当事者の性別は男性100.0%,平均年齢22.0±2.0歳,PARSのカットオフポイントを超える対象者は0%であった。 効果検証には,ひきこもり状態にあるが支援機関を利用していない人の家族を対象に,事前面談でM.I.N.I.(Sheehan,2000),PARS(PARS委員会,2008)を行い,介入の前後でHBCL(境ら,2004),ひきこもり状態にある人対する否定的評価尺度(境ら,2010),ひきこもり状態への対処に関する家族のセルフ・エフィカシー尺度(境・坂野,2009),SRS-18(鈴木ら,1998),ひきこもり家族機能尺度(野中,2012)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたひきこもり経験者への調査,家族へのCRAFTプログラムの効果検証の準備が順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
4月~7月:行動活性化プログラムの効果検証を行うための準備を行う。効果検証には,ひきこもり本人を対象に,事前面談でM.I.N.I.(Sheehan,2000),自閉症スペクトラム指数日本版短縮版(以下,AQ-J-10; Kurita et al., 2005)を行い,介入の前後BDI-II(Kojima et al., 2002), BADS(高垣ら,2010),CBAS(高垣ら,2011),EROS(国里ら,2011)を行う予定である。 実施者養成の効果検証を行うための準備を行う。実施者養成は,ひきこもり支援機関と共同で実施するため,これらの機関と打合せを行う。 また,徳島大学総合科学部人間科学分野における研究倫理審査委員会委員に申請を行う。 8月~9月:行動活性化プログラムの参加者を募集する。ひきこもり支援機関で実施者養成を行う。 10月~1月:行動活性化プログラムの介入を実施する。実施者養成の参加者にフォローアップ研修を行う。 2月~3月:平成26年度の研究成果を論文,報告書などにまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入予定であった解析ソフトを用いなくても,無料の解析ソフトで解析ができる状況が整ったため。 研究の進展に伴い,旅費,人件費が増加すると考えられるため,これらの予算に充てる。
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