研究課題/領域番号 |
25780417
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
小倉 正義 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50508520)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ネットいじめ / 予防教育 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
本研究では,中学生・高校生のネットいじめに関して,①ネットいじめが発現する心理的メカニズムについて検討すること,②ネットいじめを予防するための心理教育プログラムを開発(提案)すること,③ネットいじめに対応する力のある教育養成のためのプログラムを開発することを大きな3つの目的にして,研究をすすめてきた。 これらの目的を達成するために,平成26年度は,平成25年度に引き続き,国内外の文献研究や資料収集を行った。具体的には,世界精神医学会(9月にマドリッドで開催),児童青年精神医学会(10月に浜松で開催)に参加し資料収集を行い,参加者たちとの意見交換も行った。また,名古屋大学(金子一史准教授)・明治大学(濱田祥子講師)の研究協力者らから助言をもらい,ネットいじめに関する議論を重ねた。 中学生へのネットいじめに関する調査結果の分析や,その分析結果を論文かする作業をさらに進めた。また,高等学校へのネットいじめに関する調査に関しては調査内容を再検討した上で,調査協力校の選定を進めた。 さらに,平成25年度に引き続き,鳴門教育大学の研究代表者が担当する生徒指導関連の授業で,ネットいじめを含むいじめへの対応に関する講義(ワークショップ形式)を実施した。なお,今年度は生徒指導関連の授業の中でのいじめに関する内容の位置づけを担当教員間で議論した。そのために,生徒指導関連の授業全体の中でのいじめに関する内容の位置づけをより明確にすることができたと考えている。このことは,ネットいじめに対応する力のある教育養成を行う生徒指導力を育成するうえでは,非常に重要なことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ネットいじめに関連する国内外の資料収集や研究協力者との議論,ネットいじめに対応できる力のある教育養成のプログラムの作成については,おおむね順調にすすんでいる。 ただし,高校生への質問紙調査の実施については,慎重な配慮を必要とする調査であるため,調査の実施には至っていないのが現状である。今後,調査計画を見直しながら,最大限の配慮を行い,可能な範囲で進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまで行ってきた資料収集や研究協力者との議論,中学生への質問紙調査の結果のまとめをすすめ,ネットいじめへの対応策について提案していきたいと考えている。また,資料収集や中学生への質問紙調査の結果と,今後実施する予定である高等学校での質問紙調査の結果をふまえ,ネットいじめへの予防教育プログラム案を作成したいと考えている。 また,ネットいじめを含むいじめに対応できる力のある教育養成のための授業プログラムについても,さらに発展できる形で考えていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題はネットいじめに関する包括的研究であり,ネットいじめという侵襲性の高いテーマであるため,予定よりも調査内容の検討をより時間をかけて行い,調査協力者・調査依頼先との関係をより慎重に検討するすることが必要であった。そのため,一部の調査内容や調査協力者の確保に当初の予定よりも時間がかかり,遅れが生じた。そのことが,次年度使用額が生じた原因となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度における使用額の使途内容については,未実施の調査にかかる経費(旅費・アンケート作成・研究補助者にかかる費用),未実施の調査結果のまとめにかかる経費(研究補助者にかかる費用・文具,ファイルなどの消耗品),成果物にかかる経費である。
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