本研究は,児童のストレスマネジメントとして,認知行動的な技法による介入を行い,その効果を検討することとその長期的な維持・予防効果も検討することを目的とした。本研究の成果は,髙橋ら(2015)や田中・髙橋・佐藤(2016)として公表しており,ストレス反応の軽減を確認している。一方で,予防プログラムの課題も見えてきた。それはストレス反応が高い児童には効果が大きい一方で,ストレス反応が低い児童への効果は小さいという点である。今後,従来までの障害レベルの治療技法と効果指標をそのまま活用してきた予防プログラムをユニバーサルレベルの予防的プログラムに適した内容に洗練させることが課題となる。
|