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2013 年度 実施状況報告書

抑うつの要因とされる認知特性の適応的側面に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25780419
研究種目

若手研究(B)

研究機関福井県立大学

研究代表者

黒田 祐二  福井県立大学, 学術教養センター, 准教授 (10375454)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード認知的脆弱性 / 非機能的態度 / 抑うつスキーマ / 帰属スタイル / 推論スタイル / 抑うつ / 適応
研究概要

本研究課題の目的:1.抑うつの要因とされてきたネガティブな認知特性,すなわち,他者からの評価や達成結果を過度に求める「抑うつスキーマ」と,悪い出来事の原因や将来起こるであろう結果をネガティブに考えやすい「ネガティブな帰属・推論スタイル」は,抑うつ状態が低い時には,適応的な役割を果たす,2.上記の認知特性は,「失敗を回避し,周りから認められるため」といった環境適応上の必要性のために形成されたものである,という2つの仮説を検討するものである。仮説の検討においては,対人・達成領域のそれぞれにおける認知特性を取り上げる。
H25年度の研究実績:仮説1を検討した。対人・達成領域のそれぞれに関して調査を実施し,横断的・縦断的に得られたデータを分析した結果,対人領域の非機能的態度とネガティブな推論スタイルの高い者は,抑うつ状態の低い時に,他者に対して親和的な行動をとりやすく,その結果,対人関係でポジティブな出来事を経験しやすいことが示された。この結果は,これまで抑うつを引き起こし不適応的であるとされてきた対人領域のネガティブな認知特性が,抑うつ状態の低い時には適応的な役割を果たしていることを示唆するもので,意義あるものと考えられる。他方,それ以外の仮説を十分に支持する結果は得られなかった。仮説を支持する結果が得られなかったのは,本研究が縦断調査であり,かつ,抑うつ状態の高い者を除いたため,分析対象となる調査参加者の数が少なくなってしまったことが影響している可能性が考えられる。そのため,来年度データの補強を行う。
その他の実績:仮説2を検討するための準備(理論的検討,質問紙の作成など)を終えた(調査をH26年4月・6月に実施する)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」で示した通り,2年間で2つの仮説を検討する研究計画の内,1つの仮説の検討をおおむね達成できたため。

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」で示した仮説2を検討する。このための準備はすでに終えており,4月から順次調査を行っていく。なお,「研究実績の概要」で示した通り,仮説1の検討で調査参加者の数が少なくなってしまったため,データの補強も合わせて行う。
また,今年度の調査結果の一部を,来年度の日本心理学会と日本教育心理学会において発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

調査参加者が予定よりやや少なかったため、その分の謝礼とデータ入力補助のアルバイト代が余った。
次年度、参加者を追加して調査を行うため、その謝礼とデータ補助人件費に充てる

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公開日: 2015-05-28  

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