研究課題/領域番号 |
25780421
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
川口 彰子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (20632699)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社交不安障害 / fMRI |
研究概要 |
【目的】本研究は社交不安障害の病態の解明および心理療法の治療効果を脳画像を用いて行うことを目的として行っている。最初の段階として、H25年度は、社交不安障害の患者と健常者で自己意識関連情動に関するタスク等を用いてfMRIを行い、まずは病態の解明に努めることとした。 【方法】社交不安障害の患者13名と健常者17名で自己意識関連情動に関するタスク等を用いてfMRIを行った。 【進捗状況】現在、国立共同研究機構生理学研究所や研究協力者の慶応義塾大学仲秋の指導を受けながらデータの解析を行っている。 中間解析で自己顔を認識する右前頭前野の領域の活動が社交不安障害の患者で健常者に比べて低いことなどが同定され、日本不安障害学会で報告し、奨励賞を受賞した。また最終的な解析結果は2014年6月にカナダで行われる29th CINP World Congress of Neuropsychopharmacologyで報告を予定している。 また、当初H26年度に行うことを予定していた認知行動療法の治療前後での構造画像研究についても、症例報告であるが、国際学会で報告し、論文としてアクセプトされた。また本研究に関連する分野として、研究協力者とともに他の不安障害の認知行動療法および、精神疾患の脳画像研究にも従事し、それらの成果を論文、学会で報告した。 【研究の意義と重要性】これまで自己顔写真を用いたfMRI研究は社交不安障害患者では行われておらず、国際的にも初の試みであり、社交不安障害患者の自己顔と他者顔の認識時の脳活動の違いをとらえられたことで、将来的には認知行動療法における注意訓練技法の改善などにも反映が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
社交不安障害の患者13名と健常者17名で自己意識関連情動に関するタスク等を用いてfMRIを行った。 現在、国立共同研究機構生理学研究所や研究協力者の慶応義塾大学仲秋の指導を受けながらデータの解析を行っている。 中間解析結果を日本不安障害学会で報告し、奨励賞を受賞した他、2014年6月にカナダで行われる29th CINP World Congress of Neuropsychopharmacologyで報告を予定している。 また、当初H26年度に行うことを予定していた認知行動療法の治療前後での構造画像研究についても、症例報告であるが、国際学会で報告し、論文としてアクセプトされた。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は、fMRI研究を論文として投稿することを予定している。また、fMRI研究で得られた構造画像についても解析を行う予定である。 また認知行動療法の治療前後での脳構造の変化についても研究を行う予定である。
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