反すうが抑うつや他の認知行動的反応に及ぼす影響について,日本人大学生を対象とした4つの研究で検討を行った。その結果,日本人を対象とした場合,反すうは1ヵ月後の抑うつの増加を導くが,6ヵ月後の抑うつの変化を予測できなかった。また,反すうは社会的問題解決の各次元のうち,ネガティブな問題志向(問題解決に対する消極的な姿勢)と相互に増強し合う関係にあることが示された。一方,社会的問題解決の一次元である衝動的/不注意型スタイルは反すうと独立して抑うつを強めることが示唆された。しかし,反すうと衝動性の関連の有無については衝動性の指標に依存しており,衝動性の測定方法を整理した上で更なる検討を行う必要がある。
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