研究課題/領域番号 |
25780431
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東海学院大学 |
研究代表者 |
足立 匡基 東海学院大学, その他の研究科, 講師 (50637329)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知症高齢者に対する心理的援助 / BPSDの改善 / 動作療法 / 心理リハビリテイション / 臨床心理学 |
研究概要 |
本研究は、重度アルツハイマー型認知症高齢者における動作療法の効果およびその治療要因を特定するため、マルチベースラインデザインに基づく実験計画によって、姿勢制御機能の改善、認知処理能力の向上と先行研究で挙げられた自己統制感及び情動の活性化といった要因との相互作用を検討することを目的とし研究を遂行している。 現在までの参加者は8名であり、最終的には12名を対象に介入を実施する計画である。研究計画に従い、介入頻度は週1回30分程度、測定項目は、観察評価尺度としてMOSESスケールとBEHAVE-ADを用いて研究を実施している。また、高齢者の姿勢制御機能の指標としては、重心動揺軌跡距離(60秒)を測定している。さらに高齢者の認知機能の指標としてADASを介入の変化期に測定しており、これらの各結果は、今後、時系列に沿って視覚的に示し、姿勢制御機能と認知機能、心理的要因の相互作用について検討を行う。最も早い参加者で、平成26年8月末日で介入を終え、介入撤去後のフォローアップ期間に入る見通しである。 また、本課題に関連する研究として、動作療法による介入が高齢者の認知課題処理に及ぼす影響の研究成果について、国際老年学会で発表をし(Adachi, M. & Nakano, K. 2013 Primary factors for improvement of cognitivetask performance in DOHSA-HOU for the elderly)、さらにリハビリテイション心理学研究への投稿を行った。後者(足立 匡基 2013 高齢者動作法における認知課題処理能力の改善要因 )は当該学会の学会奨励賞を受賞しており、社会的に一定の評価を得ていると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載した介入進度に対し、概ね遅れることなく進行しており、今後予想外のドロップアウト等がなければ、計画通り推移していくことが予想できるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画からの変更点として、心理的ストレスの指標として唾液アミラーゼを導入したことがある。心理的指標についてはMOSESによる主たる介護者の観察評価にて行う予定であったが、生理的指標を導入したほうが対象者に対する心理的効果について相互的に妥当性が確認できるものと考え、導入することとした。 他の部分に、変更点はなく当初の研究計画に従って研究を遂行する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度使用予定であった、専門的知識の供与、具体的には、動作療法の介入の質を担保するためのスーパーヴィジョンの費用を次年度に繰り越して使用する方針に転換したため。 上記の通り、動作療法による介入の質を担保するため、動作療法のスーパーヴァイザーを一時的に雇用するための経費として、使用する予定である。研究計画に示した通り、時間あたり5千円の報酬で週一回の介入について2時間から3時間行うため、次年度において50~60万円程度の費用が必要となる。
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