パラノイアの生起メカニズムを自尊心の観点から説明する2つのモデルが提唱されている。ひとつは、潜在的に低い自尊心が顕在化することに対する防衛としてパラノイアが生じるとするものである。これによれば、潜在的に自尊心が低くとも、パラノイア(誰かに陥れられた。私は悪くない)を抱くことで顕在的には自尊心は保護される。もうひとつのモデルは、パラノイアには防衛的な側面はなく、低い顕在的自尊心を直接反映していると仮定するものである。本研究では、質問紙調査および認知実験によってこれらのモデルの検討を行った。その結果、いずれの分析でも後者のモデルが支持された。
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