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2013 年度 実施状況報告書

懐かしさ感情を用いた回想法の開発のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25780435
研究種目

若手研究(B)

研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

瀧川 真也  川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10587281)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード懐かしさ / 老年期 / 臨床心理学
研究概要

25年度は,高齢者の懐かしさ感情の因子構造を明らかにし,それをもとに懐かしさ感情を測定する尺度を作成した。調査は65歳以上の男女315名を対象にWeb調査法を用いて行われた。調査には,瀧川・仲 (2009) と同様に,小川他 (2000) の一般感情尺度 (24項目) と,先行研究および予備調査から得られた懐かしさに関連する感情や状態を表す言葉 (26項目) の計50項目を使用した。調査手続きとして,懐かしさを喚起させることで,より正確な懐かしさの評定が行えると考え,対象者にははじめに対象者自身が経験した懐かしい記憶を想起させ,その出来事の内容と懐かしさの程度を回答させた。次に50項目からなる尺度について,懐かしさ感情が喚起された時に生じるイメージや感覚を7件法(1.まったくあてはまらない~7.非常によくあてはまる)で評定させた。
調査の結果,高齢者の懐かしさ感情は,ポジティブ感情,リラックス感情,緊張感情,哀愁感情の4つ因子で構成されていることが明らかとなり,4因子21項目を懐かしさ感情尺度とした。懐かしさ尺度の全体のα係数は.923であり,内的妥当性は確認されたといえる。本研究から,先行研究と同様,懐かしさ感情は肯定的感情や安静感情など複数の感情要素をもつ複合的感情であることが確認された。一方で,大学生のみを対象にした瀧川・仲 (2009) では懐かしさ感情は3因子構造であったのに対し,本研究では緊張感情といった高齢者特有の因子が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

25年度の研究目的は, 1. 高齢者の懐かしさ感情の因子構造の検討および 2. 懐かしさ感情尺度の作成であった。概ねの計画通りに研究を遂行できており,目的1では,懐かしさ感情の構成概念について新たな知見を得ることができた。目的2については,現在,尺度の妥当性の検討を行っており,次年度は作成した尺度を用いて研究を行う予定である。

今後の研究の推進方策

25年度の研究成果を用いて,本年度は,高齢者を対象に懐かしさ感情が喚起する要因について検討を行い,懐かしさを喚起させる刺激の特性を明らかにすることを研究目的とする。調査は25年度に作成した懐かしさ感情尺度を用い,65歳以上の男女300人を対象に行う。調査対象者の地域性などの属性の偏りを考慮し,25年度と同様にWeb調査法を用いる予定である。

次年度の研究費の使用計画

今年度は市場調査会社へのWeb調査の委託を行ったが,予想より有効データが多く得られたこと,さらに調査委託費用が予算より安価であったことから残額が生じた。
26年度は高齢者を対象としたWeb調査を計画している。25年度と同様に市場調査会社に調査を委託する予定であり,その調査委託費を研究費の主たる部分として充当する。残額分については,研究成果発表のための学会参加費,旅費,論文投稿費等に使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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