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2013 年度 実施状況報告書

情動制御における神経生理学的基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25780438
研究種目

若手研究(B)

研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

村上 裕樹  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 流動研究員 (40600325)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード情動制御
研究概要

本研究では,心身において適応的な情動制御方略であるマインドフルネスの神経生理学的基盤を解明することを目的としている。脳活動の計測には機能的磁気共鳴画像 (fMRI)を用い,それと同時に末梢の生理指標を測定した。
まず,fMRI測定時に発生する磁場による心電図へのノイズを除去するためテスト撮像を行い,fMRIと心電図を同時計測する実験系を確立した。
平成25年度は,マインドフルネス訓練の中でも,身体に注意を向ける技法に焦点を当て,その際の脳活動と自律神経活動の制御との関連性について検討した。実験の結果,自分の身体に注目している際は,体性感覚野や前部島皮質における活動が確認された。さらに,脳活動と同時に計測された心拍変動から副交感神経活動を算出し,副交感神経活動を制御する脳領域を特定した。その結果,腹内側前頭前野が副交感神経活動の制御に関与していることが確認された。さらに,この腹内側前頭前野の活動は,身体に注目している際に頑健な活動が見られた前部島皮質と関連していることが確認された。これらの結果から,マインドフルネスの訓練において,身体の感覚に注意を向けることによって前部島皮質が活動し,それと共に腹内側前頭前野を介して,自律神経活動を制御していると考えられる。
このような神経生理学的メカニズムが,マインドフルネス訓練によるストレス低減効果につながり,ひいてはさまざまな精神疾患における症状の低減や再発予防として機能しているものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題に必要なfMRIと心電図を同時計測する実験系を確立し,おおむね計画通りの実験を遂行できたため。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでの研究成果を学会で発表し,学術論文としてまとめる。さらに,脳の構造や安静時の脳活動とマインドフルネス傾向との関連性について検討し,研究成果をまとめる予定である。

次年度の研究費の使用計画

所属が変更することになったことから,年度末から今年度にかけて実施を計画していた実験は,今年度から開始することとなったため。
年度末から今年度にかけて実施を計画していた実験を開始する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The association between neural response and heart rate variability during attending to bodily sensations.2013

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H., Katsunuma, R., Oba, K., Terasawa, Y., Motomura, Y., Kanayama, Y., Mishima, K., Oka, T., Moriguchi, Y., & Matsuda, H.
    • 学会等名
      Society for Psychophysiological Research 53rd Annual Meeting
    • 発表場所
      Firenze Fiera Congress & Exhibition Center, Florence, Italy
    • 年月日
      20131002-20131006

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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