研究課題
若手研究(B)
【不眠の認知行動療法ウェブ版（web-CBTi）の開発】申請者がこれまで研究および臨床実践で行ってきた不眠の認知行動療法（CBTi）のノウハウと，ウェブ上でCBTiを行っている先行研究に基づいて「不眠の認知行動療法ウェブ版（web-CBTi）を開発した。プログラムは盲検化するため，web-CBTiにエントリーした時点で，コンピュータによって自動的に無作為化割付が行えるようにし，したがって，参加者は，Web-CBTi群か統制群のいずれかに割り振られるように設定されている。Web-CBTiは５週間プログラムであり，プログラム内容は，睡眠日誌の記録（Week 1），睡眠衛生指導（Week 2），漸進的筋弛緩法（Week 3），睡眠スケジュール法（Week 4，Week 5）とした。統制群は，単独では効果が低いとされる睡眠衛生指導を提供した。評価指標としては，不眠重症度尺度，抑うつ尺度，不安障害尺度，生活支障度尺度を用い，睡眠日誌はプログラム実施中は毎日記録をつけるようにした。プログラム完成後，原発性不眠症と診断された患者数名に対して当該プログラムを紹介し，承諾が得られた者にプログラムを提供し，使い勝手や不明点を聴取し，プログラムを適宜修正した。当該プログラムが完成したことで，他施設でも同様のプログラムの提供が可能となる。そのため，多施設共同研究が可能となり，サンプルサイズの確保が容易になる。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り，web-CBTiを開発し，数名の患者からプログラムの使用感を聴取した。ただし，本プログラムの効果を確認するため，数名の慢性不眠症患者を対象とした予備研究には至らなかった。以上のことから，本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
本プログラムは多施設共同研究となるため，プログラムの提供者に実施手順を教える必要がある。そのため，参加者の包含基準と除外基準，プログラムの提供方法などを詳述したプログラム提供マニュアルを作成する。また，プログラム実践中の問題（例えば，エントリーできない，操作方法が分からない）については，メールアドレスを設定し，申請者が随時回答できるようにする。各施設には，対象者のエントリーや資料を管理するための研究補助者を配置する予定である。
平成25年度に実施予定だったWeb-CBTiの予備研究の実施には至らず，購入を予定していた備品（アクチウォッチ，データ管理用PCなど）の購入を行わなかった。また，本研究は多施設共同研究であるが，Web-CBTiのプログラム提供には至らなかったため，研究補助者への謝金も発生しなかった。以上のことから，助成金が生じた。助成金は，当初購入予定であった備品の購入費，および多施設共同研究にかかる研究補助者への謝金として使用する予定である。
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