マカクにおける味覚刺激の報酬価を測定するため、味覚反応テストをもちいて味溶液摂取時のサルの表情を詳細に記録・分析した。実験は3頭のカニクイザルを被験体としておこなった。味刺激は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5基本味をもちいた。その結果、甘味刺激は苦味刺激などの嫌悪性の味刺激よりも多くの表情変化を惹起する傾向はあったものの、統計的に有意なレベルには達しなかった。また、うま味刺激単独呈示(MSGとIMP)とうま味混合刺激呈示(MSGとIMP混合)による結果の比較も同様に、統計的に有意な差が検出されるほどの違いは認められなかった。より確かな結果と結論を得るには、実験条件の修正が必要と考えられる。
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