研究課題/領域番号 |
25780454
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡邊 言也 名古屋大学, 環境学研究科, 研究員 (90637133)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 覚醒度 / パフォーマンス / 社会的ヒエラルキー |
研究実績の概要 |
我々は外界から与えられるプレッシャーによって生理的覚醒や集中度が変化し、その結果作業の効率や出来不出来が影響を受けてしまうという経験をすることがある。本研究は外界からのプレッシャーによって喚起された生理的覚醒と課題遂行能力との関係を明らかにし、そこから生理的覚醒を最適化するための神経基盤を解明することを目的とした研究を行っている。
本年度は、昨年度取得したデータを詳細に解析した結果、課題時遂行前の瞳孔の拡散・収縮を観察することによって、課題実行時のパフォーマンスを予測できることが明らかになった。そこで現在、課題遂行直前の脳ダイナミクスに注目して、MRI実験を行ない、課題パフォーマンス最適化の脳内システムを明らかにしようとしている。 加えて、本年度申請者は学術振興会特別研究員(PD)の海外派遣制度を用いてアメリカ合衆国ニュージャージー州立大学であるRutgers大学のMauricio Delgado先生の元で共同研究を行っている。Rutgers大学で、行動実験及びfMRIを用いた実験を行っており、およそ20人ほどのデータを取得した。加えて本年度はSociety for Neuroscienceにて行動実験の結果を発表を行った。学会では多数の先生方から注目していただき、実験結果について多くのディスカッションをすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度の夏より、本研究内容と関連してアメリカ合衆国ニュージャージー州州立大学であるRutgers大学のMauricio Delgado先生の元で研究を行っている。研究室の異動に伴い、新たな生活基盤の構築と、倫理申請、アメリカ人を用いた予備実験などを行った。また行動実験とfMRI実験で用いる実験機材に違いがあったために、実験と解析用のプログラミングに時間を要した。そのためfMRI実験に至るまでに当初予測していたより時間がかかってしまった。現在fMRI実験は順調に行われており、来年度初頭までにはデータ取得は完了できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では3年で終了する予定であったが、海外長期滞在に伴い、fMRI実験の時期が遅くなったために、延長申請をさせていただいた。今後平成28年度の初頭にfMRIデータの取得を終え、解析と論文執筆に専念する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での長期滞在に伴う環境整備のために進捗が多少遅れたため、昨年度使用する予定だった予算を本年度に延長した。本年度の前半はfMRI実験を行い、後半は学会発表と論文執筆に専念する。
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次年度使用額の使用計画 |
現在fMRI実験行っているため、被験者謝金として人件費を計上した。物品費は主に実験時の消耗品の予定である。旅費、その他の費用は本研究成果の学会発表と論文作成に使用する。
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