研究課題/領域番号 |
25780457
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮盛 邦友 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (70552876)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教育政策 / 教育計画 / 教育システム論 |
研究概要 |
本研究は、フランスにおける代表的な教育システム・デザインである、ランジュヴァン=ワロン計画(1947年)を取り上げ、①その議事録と関連する史料を収集してデータ化する作業と、②その制定過程の中で、どのような論理で教育システム・デザインを構築しようとしたのかという実証的研究を、目的として設定している。 2013年度の研究実績については、以下の通りである。 ①について。前年度までに日本とフランスにおいて収集できたランジュヴァン=ワロン計画に関する議事録と関連する史料についての整理と読解に取り組んだ。その結果、国立文書館において、再度、資料の収集をおこなう必要性が出てきた。この作業と並行して、やはり前年度までに収集したフランスにおけるランジュヴァン=ワロン計画に関する先行研究を読解した結果、フランス内外においてランジュヴァンとワロンのそれぞれに関わる資料・史料が保存されており、その中にランジュヴァン=ワロン計画に関する史料も存在することが判明した。そこで、関係機関と連絡をとったが、結果として日程調整ができず、2013年度についてはフランスへ調査に行くことはせずに、2014年度の研究課題として継続することにした。 ②について。ランジュヴァン=ワロン計画に関する議事録と関連する史料の抄読から、実証的研究に取り組むに際しての分析枠組みが必要であるとの判断をした。そこで、フランスの社会科学の再構築に挑戦しているピエール・ブルデューの著作を検討した。また、ランジュヴァン=ワロン計画の前提として、ポール・ランジュヴァン、アンリ・ワロンの著作についても読解した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国立文書館に所蔵されていたランジュヴァン=ワロン計画に関する議事録と関連する史料についての保存状況が悪かったこと、この史料を用いて研究をおこなったフランス人研究者が史料の取り扱いに対して注意を払わなかったであろうことなどから、撮影してある史料の整理については、当初の予定よりも時間を要している。また、ランジュヴァン=ワロン計画の史料の抄読によって、発達論やファシズムなどが同構造において議論されていることなど、検討すべき課題がさらに追加された。このようなこともあり、研究計画については変更せざるを得ない部分が出てきたが、当初予定をしていなかった新資料・史料が発見されたことも勘案すれば、研究の全体としては、史料に基づく積極的な研究計画の変更である、ととらえることが可能である。そこで、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度の研究成果については、日本教育法学会定期総会において自由研究発表をおこなう予定である(北海道大学にて2014年5月に開催予定)。 ランジュヴァン=ワロン計画に関わる新資料・史料については、フランス・パリに行き、国立文書館や身体・産業化学高等学校などにおいて、収集をおこなう(2014年10-11月ごろを予定)。そして、引き続き、史料整理とその読解にあたる。 また、ランジュヴァン=ワロン計画に関する教育学・教育科学、歴史学、政治学などの日本・フランスの研究者との交流についても追求することにする。特に、この間、研究交流に取り組んできた、ジャン=イヴ・ロシェックス教授との研究交流については重点的に取り組むことにしたい。 その他、ランジュヴァンやワロンの著作、最新の日本とフランスの教育思想・教育制度に関する研究動向についても収集・分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度については、ランジュヴァン=ワロン計画の資料を所蔵する関係機関との日程調整がつかず、フランス・パリへ調査に行くことができなかったため。 2014年度については、早急に、関係機関と連絡をとり、フランス・パリへ調査に行くことにする。
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