本研究は、オバマ政権期に実施されたNCLB法の義務免除(waiver)政策、ならびに、このもとに実施された各州のテニュア関連法の改革動向を分析した。そこでは、連邦教育政策に従い、教員評価に生徒の学力テストの結果を活用し、この評価結果を教員の身分や処遇に反映する改革が各州共通に実施されていることが明らかとなった。また、これら米国の改革と類似する日本の状況を2014年の地方公務員法改正を素材として分析した。本研究では、テニュア法を基礎とする米国と、公務員法に基礎をおく日本の教員法制の相違にも関わらず、評価を通じた教員の身分保障や労働条件の切り崩しが共通してなされていることを明らかにした。
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