研究課題
前年度までの研究により、コミュニティの構築に、社会教育行政や市民活動団体、高等教育機関、企業などのパートナーシップが影響を与えることが明らかになった。そこで平成27年度は、パートナーシップを促進する仕組みについて研究を進めた。国立教育政策研究所や国立女性教育会館のプロジェクト研究に関わり、生涯学習や地域活動を促す官民パートナーシップの組織化や教育施設間の協働に関して、先行研究のレビューや全国の先進事例調査、質問紙調査を進めた。この結果、地域における団体・組織間の連携・協働が継続することにより、地域の学習資源や情報、ネットワークが蓄積された恒常的なコンソーシアムやプラットフォームという形での基盤形成がなされること、この基盤では、生涯学習・社会参加関連のサービス提供の効率性が高まるだけでなく、単独の主体では達成できない創発効果が生み出されることを明らかにした。また所属組織において、高齢者向けの生涯学習講座の開催に携わり、2年間の介入調査を行った。この中で、講座開催のために組織されたネットワークが、初等教育機関や企業、地域団体の参画を経て、住民の社会参加を促す総合的なプラットフォームへと転化していく過程を明らかにした。3年間の研究を通じて明らかになったことは以下の通りである。(1)住民の地域活動への参加や社会的ネットワークの状況は、地域の「関係基盤」(中間集団)の布置や連関から影響を受ける。(2)地域の行政組織と民間団体の連携・協働の状況は、この「関係基盤」の構成に影響を与える。さらに、(3)連携・協働が継続し、その成果が蓄積されることで、地域の学習資源や社会的ネットワークが集約された、生涯学習や社会参加を促すプラットフォームが形成される。(4)このプラットフォームでは、学習機会の提供に関する効率性が高まるだけでなく、単独の主体では達成できない創発効果が生み出される。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (18件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)
独立行政法人国立女性教育会館(編)地域における女性の活躍推進実践ガイドブック:地方公共団体や男女共同参画センターの新たな連携と役割
巻: 1 ページ: 26-36
国立教育政策研究所・公益財団法人図書館振興財団(編)図書館と学校が地域をつくる:確かな学力形成と豊かな人生に向けて(「図書館を使った調べる学習コンクール」報告書)
巻: 1 ページ: 54-65
国立教育政策研究所(編)多様なパートナーシップによるイノベーティブな生涯学習環境の基盤形成に関する研究報告書(Ⅰ):総論(平成26-27年度プロジェクト研究調査報告書)
巻: 1 ページ: 15-34
国立教育政策研究所(編)多様なパートナーシップによるイノベーティブな生涯学習環境の基盤形成に関する研究報告書(Ⅳ):中間支援組織調査(平成26-27年度プロジェクト研究調査報告書)
巻: 1 ページ: 14-21
巻: 1 ページ: 22-55
巻: 1 ページ: 96-105
国立教育政策研究所(編)多様なパートナーシップによるイノベーティブな生涯学習環境の基盤形成に関する研究・事例集:国内及び海外の先進的事例調査(平成26-27年度プロジェクト研究調査報告書)
巻: 1 ページ: 23-29
巻: 1 ページ: 30-37
巻: 1 ページ: 97-101
巻: 1 ページ: 102-108
巻: 1 ページ: 132-138
巻: 1 ページ: 139-144
巻: 1 ページ: 215-220
巻: 1 ページ: 221-223
社会教育学研究
巻: 52(1) ページ: 56-58
文部科学教育通信
巻: 370 ページ: 26-28
巻: 371 ページ: 26-28
日本公民館学会年報
巻: 12 ページ: 145-148