本研究では次のことが明らかとなった。(1)1946年に開始した神戸市の「方面教育」は、青少年の「不良化」防止を機に誕生した学校教師を中心とする校外教育であり、1950年代には長期欠席生徒の「救済」や安全教育へと活動領域を拡げていった。60年度からは、とくに被差別部落の子どもの長期欠席問題に対応するため、訪問教師制度が新たにスタートした。(2)千葉県の沿岸漁業地域では、1950年代に子どもの長期欠席問題が深刻化した。主に中学校において長欠対策教員や補導学級が設けられ、長期欠席生徒の家庭訪問や学習指導などが行われた。
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