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2013 年度 実施状況報告書

学習の触媒としての教科書に関する教授学的研究:学習課題に着目した日独教科書比較

研究課題

研究課題/領域番号 25780476
研究種目

若手研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

吉田 成章  広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (70514313)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード教科書研究 / 授業研究 / 学習課題 / ドイツ教授学
研究概要

本年度の研究成果は、大きく次の二点に集約される。まず一点目は、教科書資料の収集・比較を行ったことである。2013年9月および2014年3月に渡独し、複数の研究機関・図書館等を訪問し、また学会大会にも参加し、教科書研究関係資料の収集および教科書研究・授業研究の専門家と研究交流を行うことができた。とりわけ、PISA調査の影響を受けて進行中の「学力向上政策」のなかで、「授業とは何か」といったテーマに教授学者・教科教育学者・教育心理学者らが様々な研究方法でアプローチしている点は、子どもたちにとっての教科書および「学習課題」の意義や機能を考察する上で重要であることが明らかになった。二点目は、ドイツおよびわが国の学校のフィールドワークを行ったことである。ドイツのフィールドワークでは、中等学校の理科・ドイツ語といった教科の授業を観察し、教科書がどのように用いられているか、教科書の中の「学習課題」が学習にとってどのように機能しているか、教科書とは別に提示される「学習課題」がどのように構成されているのかを、授業の記録および授業者へのインタビューとともに明確にすることができた。わが国の学校においては、小学校および中学校の授業を複数回訪問し、教科書の「学習課題」がどのように機能しているか、授業の中で子どもたちが取り組んでいる「学習課題」と教科書中のそれとはどのような異同があるのかを、授業の観察及び授業者へのインタビューで明確にすることができた。とりわけ、実際の授業の中では、教科書に記載されている「学習課題」は、子どもたちの学習進度やそれぞれの教育的ニーズに合わせて、教師・子どもによって再構成されていることが明確になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

教科書関係資料の収集という点では、おおむね計画通りに進行している。その分析および理論的な考察についての基礎調査は終了していると判断した。

今後の研究の推進方策

収集した教科書関係資料および授業研究資料の分析および理論的な考察を行う。具体的には、学会発表や論文執筆を通して研究成果の公開を行う。また、フィールドワークも継続的に行いながら、必要に応じてフィールドワーク先を増やすことも視野に入れる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ドイツ・オルデンブルクにおける教員養成改革2013

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 雑誌名

      広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)

      巻: 62 ページ: 31-39

  • [学会発表] 授業の計画可能性に関する一考察―教授学モデルとH.キーパーの授業論を手がかりに―

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 学会等名
      日本教育方法学会第49回大会
    • 発表場所
      埼玉大学
  • [学会発表] 教育方法学研究における研究アプローチに関する一考察

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 学会等名
      中国四国教育学会第65回大会
    • 発表場所
      高知工科大学
  • [図書] 教師教育講座第9巻 教育方法技術論2014

    • 著者名/発表者名
      深澤広明編
    • 総ページ数
      234
    • 出版者
      協同出版
  • [図書] 『PISA後の教育をどうとらえるか―ドイツをとおしてみる―』2013

    • 著者名/発表者名
      久田敏彦監修、ドイツ教授学研究会編
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      八千代出版

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公開日: 2015-05-28  

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