研究課題/領域番号 |
25780480
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 武俊 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50451498)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 不登校 / オルタナティブ教育 / カリキュラム / 教育課程特例校 |
研究概要 |
平成25年度は、不登校児童生徒を対象とする教育課程特例校(以下、不登校対象特例校とする)を事例として、日本におけるオルタナティブな教育機関をめぐる制度・政策の現状の一端を明らかにした。まず、不登校対象特例校設置に至る政策動向として、90年代から2000年代初頭における不登校児童生徒をめぐる政策の変化、およびカリキュラム開発をめぐる政策の変化について整理したうえで、現在の法制度上の位置づけを確認し、不登校対象特例校が教育課程特例校よりもカリキュラム開発に関してより大きな自由裁量が認められていること、その反面、具体的な認定基準は曖昧になっていることなどを明らかにした。 そこで、実際に不登校対象特例校として認定された学校等の教育課程の比較検討を行い、特例認定に関する事実上の基準を明らかにしようと試みた。採り上げたのは、八王子市高尾山学園、京都市立洛風中学校、大和郡山市「学科指導教室ASU」、岐阜市「ぎふ学びの部屋」、私立星槎中学校(横浜市)、私立東京シューレ葛飾中学校(葛飾区)の6校である。その結果、授業時数については、多くの学校等で標準授業時数から約200時間までの削減が認められていること、教育内容については、習熟度別授業の実施や個別指導計画の作成に加えて、体験活動や表現活動、コミュニケーション活動などが共通に導入されていることなどを明らかにし、これらが事実上の認定基準となっている可能性が高いことを明らかにした。 上記の成果については、琉球大学生涯学習教育研究センター研究紀要『生涯学習フォーラム』第8号に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、研究機関異動により研究体制確立に時間を要し、予定していた海外調査の一部が未実施ではあるが、不登校児童生徒を対象とする教育課程特例校の比較研究を遂行することができた。国内の個別事例に関する研究も順調に経過しており、その成果は平成26年度中に発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、日本の事例については、公設民営型の適応指導教室(教育支援センター)を対象に、その組織運営およびプログラム開発上の特質を明らかにしていく。また、米国の事例については、チャータースクール、オルタナティブ・スクール等の、教育機関の法制上の位置づけを整理したうえで、急速にこれらの学校の設置を進めている都市への訪問調査を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
所属研究機関の異動にともない、研究体制の確立および研究の着手に時間を要したため。 平成26年度請求額とあわせ、国内調査および海外調査の費用に充てる。
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