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2014 年度 実施状況報告書

三分岐型から二分岐型への中等学校制度再編に伴うドイツ教育評価制度の変容

研究課題

研究課題/領域番号 25780483
研究機関広島市立大学

研究代表者

卜部 匡司  広島市立大学, 国際学部, 准教授 (30452600)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードドイツ / 教育評価
研究実績の概要

本研究の目的は、ドイツの中等学校制度が三分岐型から二分岐型へと再編されるに伴い、教育評価制度がどのように変容しているのか、その変容過程を構造的、実証的に解明することである。本年度は、関連文献や文書、訪問調査による情報収集に加え、国内外の学会や研究会において本研究の進捗状況を報告することができた。
情報収集では、ラインラント・プファルツ州およびバイエルン州において、教育省の行政担当官および各中等学校の協力のもと、昨年度に引き続き、さらなる調査が実施できた。その結果、特に本年度は、通信簿の改革事例についても、より詳細な資料が収集できた。
また進捗状況の報告では、とりわけPISAショック以後の中等学校制度再編の動向について議論した。昨年度まではラインラント・プファルツ州に限定して考察したが、三分岐型から二分岐型への学校制度が再編される一方で、児童生徒の成績評価やそれに伴う修了資格制度は依然として三分岐型を維持していることを解明した。本年度は、その傾向がドイツ全州に当てはまるかどうかについて考察した。その結果、ドイツの中等学校制度はどの州でも、鉄道システムに例えると、3種類の学校(線路)は3本から2本(ギムナジウム+1種)になろうとしているが、修了資格(終着駅)の数は3種類のまま、ギムナジウム以外の学校(1つの線路)に2つの「路線(ライン)」を併設(相互乗入)していると解釈できるに至った。したがって、ドイツの中等学校制度が「三分岐型」なのか「二分岐型」なのかは、理論的には、学校制度を「線路」(実体概念)として考えるのか、それとも「路線」(構成概念)として理解するのかによって決まってくることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、本研究に関わる新たな文献や資料、事例について情報が収集でき、また国内外の学会や研究会で研究の進捗状況を報告し、議論を通して(特に理論的な)考察を深めることができたため。

今後の研究の推進方策

今後は当初の計画に沿って、ラインラント・プファルツ州を中心に、バイエルン州やベルリン市などの事例に焦点を当てて、さらに研究を進め、理論的な考察をさらに先鋭化させる。

次年度使用額が生じた理由

前年度は、文献資料収集のため、当初は購入費用として準備していた文献資料をいくつか無償で譲り受けたこともあり、その分の予算を来年度の文献資料購入費として充てたいと考えている。

次年度使用額の使用計画

昨年度からの繰り越し金は、文献資料購入費として充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Japanese School Culture and Implicit Proficiency Theories of Japanese and German Teachers - A Comparative Analysis2014

    • 著者名/発表者名
      Urabe, Masashi
    • 学会等名
      ECER (European Conference on Educational Research) 2014 in Porto
    • 発表場所
      ポルト大学(ポルトガル)
    • 年月日
      2014-09-05
  • [学会発表] ドイツにおける三分岐型から二分岐型学校制度への改革動向2014

    • 著者名/発表者名
      卜部匡司
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2014-07-12

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公開日: 2016-06-01  

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