研究課題/領域番号 |
25780488
|
研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
上野 正道 大東文化大学, 文学部, 准教授 (50421277)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | プラグマティズム / 民主主義 / アート / 新自由主義 / アジア / 学習 |
研究実績の概要 |
本研究は、現代プラグマティズムと民主主義の学習を進歩主義的な学校改革との関連から明らかにすることを目的としている。特に、従来、アメリカの哲学として受容され研究される傾向のあったプラグマティズムや進歩主義を、ヨーロッパや東アジアの教育思想の観点から捉え直すことを意図してきた。そのために、2014年度は、ヨーロッパや中国におけるプラグマティズムと民主主義の学習を理論的に研究すると同時に、イタリア、ルクセンブルク、イギリス、中国の教育学者との研究交流を図ってきた。具体的な内容として、活動的、協同的、探究的、コミュニケーション的な学習から民主主義の学習へとつなぐ研究を実施した。その成果は、8月に、イタリア、カラブリア大学で行われた教育哲学者国際ネットワーク第14回大会(The 14th Biennial World-Conference of the International Network of Philosophers of Education)での発表、共編著として刊行した『東アジアの未来をひらく学校改革―ー展望と挑戦』(北大路書房、2014年10月)や、「デューイと中国――デモクラシーの教育をめぐって――」(『近代教育フォーラム』第23号、教育思想史学会、2014年10月)として発表されている。これらの研究の意義と重要性は、次の二点にある。第一は、日本、中国、韓国などアジア諸国における、民主的な学校改革の展開を理論的、歴史的に明らかにしたことである。これによって、21世紀型の協同的な学びや民主的な学びを中心とする改革を各国の比較のもとに考察することができた。第二は、中国や日本における学校改革の実際について考察したことである。個別具体的な学校のカリキュラムについて詳細に検討することを通して、民主的な学びの実践に迫ることができたことは重要な意義があると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的と実施計画に即して、おおむね順調に進展している。昨年は中国やイタリアに訪問し、研究発表を実施すると同時に、アジアやヨーロッパの教育研究者との積極的な交流を行うことができた。また、各国のプラグマティズムの学習の研究論文についても資料として収集することができた。そのため、全体として順調に進んでいると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続きアジアおよびヨーロッパのプラグマティズムの学習についての理論的、実践的な研究を深めることにする。
|