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2013 年度 実施状況報告書

道徳教育における自然概念と崇高概念――ドイツ教育哲学とフランクフルト学派の視点

研究課題

研究課題/領域番号 25780497
研究種目

若手研究(B)

研究機関関西学院大学

研究代表者

白銀 夏樹  関西学院大学, 教職教育研究センター, 准教授 (00335712)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードホルクハイマー / ドイツ美的人間形成論 / 道徳教育
研究概要

平成25年度は以下の研究を進めた。
1.現代ドイツ教育哲学の美的人間形成論の動向。もっともこの議論が盛んな「教育科学雑誌(Zeitschrift fuer Erziehungswissenschaft)」において、美的人間形成論が博物館や文学の教育的意義をめぐって盛んに議論されている動向を追った。現在では、教育哲学的な考察の基準としてモレンハウアー(Klaus Mollenhauer)の晩年の美的人間形成論や、ハンス=リューディガー・ミュラー(Hans-Ruediger Mueller)の考察が基準として参照されていることが分かった。あわせて子どもの美的経験の多様性・多義性の洞察が進んでいること、とりわけ古典的芸術作品の経験ではなく、メディア論的な知見も踏まえた経験に注目されていることが明らかとなった。
2.フランクフルト学派のホルクハイマーの思想の研究。ホルクハイマーの思想の変遷を明らかにするために、その思想の初期と後期の相違に注目し、とりわけ初期のマルクス主義的思想の特色が明らかとなった。それとともに、後期の思想で神学的色彩が強くなる背景として、初期からのショーペンハウアーへの関心もあることが明らかとなった。
3.日本の道徳教育の研究。学習指導要領における道徳教育の位置づけの変遷について分析を行い、平成元年改訂の学習指導要領で道徳教育が再編成されるに至った経緯を追った。この改訂では、道徳の内容に関する4つの視点が導入されたが、その際に道徳教育課程の内容のバランスをとることが配慮されたことは特筆に値することがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題については順調に進行している。調査の一部がやや遅れているものの、当初予定していなかった当該研究課題の内容の一部を論文として公表することができた。

今後の研究の推進方策

平成26年度は海外出張と国内出張を伴う調査を行い、あわせて研究成果の公表を計画している。平成25年度には、すでに予定外に進捗した研究結果の一部を公表したが、平成26年度も当初の予定通り、より充実した内容の成果を公表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

予定していた出張計画が、調査先とのスケジュールの都合がつかず、平成26年度に持ち越しとなったため。ただし他の研究計画を先に進めたため、研究全体の進捗自体は、滞っていない。
平成25年度に計画していたが、実施できなかった出張を含む調査を平成26年度に実施し、持ち越された使用額を使用する。

研究成果

(1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 初期フランクフルト学派における精神分析と社会理論――ホルクハイマー、フロム、アドルノの思想的布置関係に焦点を当てて2014

    • 著者名/発表者名
      白銀夏樹
    • 雑誌名

      教職教育研究

      巻: 19 ページ: 55‐74

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公開日: 2015-05-28  

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