平成25年度~平成26年度にかけて、シュタイナーの芸術教育の内実を彼の思想的背景にまで遡って解明した。また、以下に挙げる3つのシュタイナー教育の現場に赴き、現地調査を行うことによって、シュタイナーの教育思想が芸術に満たされた教育実践のうちにいかに結実しているかを分析した。 ①イギリスのウィンストンズ・シュタイナー学校(Wynstones School)においてエポック授業の見学および教員へのインタビューを行った。とりわけ、自然あふれるウィンストンズ・シュタイナー学校の環境において、自然認識が芸術教育といかにかかわっているかを分析した。 ②学校法人シュタイナー学園(神奈川県相模原市)教員の不二陽子氏に協力いただき、シュタイナー学園のエポック授業の見学を行った。不二氏へのインタビューにより、日本のシュタイナー学校における芸術教育の現状を把握した。不二氏への聞き取り調査を通じて、シュタイナー学校における芸術教育が道徳教育と不可分の関係にあることが明らかになった。なお、学校法人シュタイナー学園には平成26年度中に4回訪れ、継続してエポック授業の調査を行った。 ③箕面シュタイナーこども園(大阪府箕面市)に赴き、わが国におけるシュタイナー幼児教育の状況を調査した。シュタイナーの幼児教育に携わる教員へのインタビューを通じて幼児教育の現場でいかに芸術教育が行われているかを分析した。 特に②に関しては平成26年度にその研究成果を学術雑誌『ホリスティック教育研究』に投稿し、論文が掲載された。
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