本研究は、留学生の日本留学の効果について、中国人留学生に焦点を当て、政策研究及び調査を通して検証を行った。その結果、質を重視する留学生政策とは裏腹に、実態のレベルでは留学生の「量」ばかりに目を向けてしまう可能性があることを指摘できる。したがって、留学政策と実態との間にミスマッチが存在している。中国人の日本留学の効果については、近年国内経済の発展、海外留学チャンスの増加、さらに文科省国費奨学金の減額や学位を取得するまでの期間が長いため、日本留学の機会コストの増加につながる結果となる。しかし、留学生の属性をコントロールして検証したところ、日本留学の効果が十分あることが明らかになった。
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