本研究は、海外在住日本人家族のトランスナショナルな教育戦略に焦点を当てながら、子どもたちの「グローバル型能力」の形成過程について明らかにすることを目的とした。アメリカ3地域でフィールドワークを行ったほか、海外から帰国した若者25名に対して複数回にわたって半構造インタビューを実施した。その結果、ホスト社会の地域特性によって日本人の親の間に異なる教育戦略がみられること、また帰国後の若者たちの「グローバル型能力」の伸長や活用の程度は、日本の学校や企業における「グローバル人材」理解やトランスナショナルな空間性に制約されていることが示唆された。
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