研究概要 |
本研究の目的は、オーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた国内外の教育実践について横断的に調査し、それぞれの教育実践の共通性や特殊性を国際比較によって明らかにすることである。具体的には、①アメリカ合衆国ジョージア州の公立学校レイバン・カウンティ高校およびNPO法人Foxfire Fund, Inc.によって取り組まれているフォックスファイヤープロジェクト、②NPO法人共存の森ネットワークが主催する「聞き書き甲子園」、③筑波大学附属茶華道高等学校の科目「環境調査」で行われている聞き書きの授業、これら3つの学校・組織で行われているオーラル・ヒストリー(聞き書き)を調査・研究の対象とした。 平成25年度は、上記①のアメリカ合衆国ジョージア州の公立学校レイバン・カウンティ高校およびNPO法人Foxfire Fund, Inc.のフォックスファイヤープロジェクトについての現地調査、および文献研究を中心に研究を遂行した。 現地調査に関しては、6月22日から7月30までアメリカ合衆国ジョージア州レイバン郡に滞在した。NPO法人Foxfire Fund, Inc.を訪問し、関係者への聞き取り調査や関係者との意見交換を実施した。また、滞在中はFoxfire Fund, Inc.が主催するワークショップに参加した。これにより、フォックスファイヤープロジェクトの背後にある教育思想や教育論についての理解を深め、疑問点についてはワークショップのファシリテーターに直接確認することができた。 文献研究については、オーラル・ヒストリー(聞き書き)の理論について、またそれを教育に活かした事例について、国内外の資料を収集し、検討した。その中には、上述の現地調査により収集した、日本国内では入手できない資料も含まれている。
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