研究課題/領域番号 |
25780526
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
青山 和裕 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10400657)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 統計教育 / 数学教育 / 資料の活用 / 知的創造力 / グラフ構成力 |
研究概要 |
統計的リテラシーの階層構造に関するこれまでの知見をベースに,生徒の知的創造力および情報発信力に関する関係性や能力構造についての分析を進めた。具体的には,両能力に関連する質問項目を用いた調査を中学生から高校生,大学生までを対象として実施し,その反応例や特質を分析した。分析の結果,知的創造力とグラフ構成力との間には明確な関連性は見えず,独立した能力の様相を呈していることが分かった。ただし,1000人を超える被験者の中で,知的創造力,グラフ構成力のどちらの能力に関しても,高位のレベルの反応を示す被験者は少なかったため,関連性の有無についての分析が十分にできなかった。さらに追究を進める必要がある。 また,知的創造力およびグラフ構成力を主題とした授業実践についても行った。研究協力校において,中学1年生の生徒を対象に,「資料の活用」単元での実践を展開した。生徒主体による統計的な探究活動を取り入れ,探究テーマの設定,データ収集,分析,発表および議論の一連の活動を行った。生徒からはこちらの想定を上回るような知的創造力,グラフ構成力が一部発現した。おそらく活動の主題が生徒の興味に沿うものであることで,取り組みに対する姿勢や動機が違ってきたことが一因だと思われる。これらの活動を通して生徒に見られた知的創造力とグラフ構成力について現在分析を進めている。本実践は本科研において提案するカリキュラムに向けた予備実践として位置付けられる。分析の後,効果的に生徒の能力を育成する指導方法を加味した実践へと昇華させていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定していた知的創造力およびグラフ構成力に関する調査を無事終えることができた。さらなる追調査必要とするが,平成26年度の研究活動の中でそれも進められる見通しがある。 また,知的創造力・グラフ構成力を主題とした授業展開は当初の予定より早めて予備実践を行うことができたため,今後の研究推進に向け大いに役立てられる。
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今後の研究の推進方策 |
調査を展開するための協力校および協力者は,研究代表者が担っている統計教育関連の業務を通じて容易に確保できるため,今後の協力を依頼する。授業実践を展開する協力校もすでに確保できており,今後の継続して展開することができる。 また,統計教育先進国であるニュージーランドに視察の予定もあり,カリキュラム開発に向けた有益な情報の入手が期待できる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初購入を予定していた消耗品等が予定よりも安価で購入することができ,物品費が抑えられた。また,研究補助者への謝金も当初見込み額よりも低く抑えられた。 平成26年6月にニュージーランドの統計教育授業視察を計画している。 授業実践を展開する関係で,教材購入費が必要となり,また実験補助及びデータ分析をするための補助員も雇用する。
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