・触わる星図においては星の等級の違いを円形の触知点記号の大きさの違いで表現している。そこで、大きさの違いを十分に弁別できる点記号の組合せを求めるため、立体コピーにより作製した円形触知点記号の弁別閾を視覚障害者を対象に調べた(平成26年度からの継続)。実験に用いた刺激は、直径が異なる9種類の円形触知点記号(直径1 mm~5 mm、0.5 mm刻み)である。これを一対比較によって大きい方を回答させる実験を行なった。その結果、直径が1.5 mmから3.5 mmの円形点記号の弁別閾は約 0.5 mmから 約 0.7 mmだと分かった。この値は先行研究の弁別閾よりも小さくなっている。 ・盲学校(視覚特別支援学校)からの要望に応じて触る星座早見盤を製作・送付した。これらは理科の授業の中で教材として用いられた。 ・カシオ計算機株式会社の新しい立体コピーシステムを用いた触る星座早見盤を製作した。触知点と線は一般の立体コピーよりも鋭く浮き出て検出・識別がしやすい。また、カラーで印刷ができ、きれいな早見盤を製作できる。頻繁に触っても表面の摩耗はほぼなく、耐久性に優れる。これらの利点から、カシオ計算機による印刷版を(研究計画書にある)印刷版とすることにした。この新しい星座早見盤は、視覚障害者向けの機器展示会サイトワールド2015において展示され、当事者らへ周知された。 ・富山県立大学と共同で、触る星座早見盤の製作ワークショップを行い、一般の学生へ星座早見盤の作り方を指導した。このワークショップで製作された星座早見盤は、「科学へジャンプ・イン・北陸 2015」において、視覚障害のある児童生徒を対象とした星座に関するワークショップに用いられた。 ・触地図自動作成システムを新しいサーバへ移行し、その際にインタフェースを現代版の新しいものへと変更した。
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