研究課題/領域番号 |
25780544
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
佐藤 美幸 京都教育大学, 教育学部, 講師 (30610761)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発達障害 / 二次障害 / 不安 / 抑うつ / 不登校 |
研究実績の概要 |
平成26年度に1年間研究を中断したため、平成26年度に予定していた研究計画を平成27年度に実施した。平成27年度は発達障害の児童に見られる二次障害の発生機序を明らかにするために、質問紙調査を実施した。通常学級もしくは特別支援学級に在籍している4年生から6年生の児童を対象に、スペンス子ども用不安尺度(SCAS)と子ども用抑うつ自己評価尺度(DSRS)を実施し、児童の担任教師に、児童の年齢、性別、発達障害の診断の有無、診断名、登校状況をたずねるフェイスシートと、児童用社会的スキル尺度教師評定版への記入を依頼した。調査から得られたデータをもとに、社会的スキルや問題行動が不登校に直接影響しているのか、不安や抑うつを媒介して不登校に影響しているのかについてデータを分析している。本調査の結果は発達障害の子どもに見られる二次障害がどのように発現するのかを明らかにするものであり、二次障害の治療や予防に役立つと考えられる。 また、平成28年度に予定している二次障害予防のためのソーシャルスキル・トレーニング(SST)プログラムの内容を検討するため、グリフィス大学(オーストラリア)のスーザン・H・スペンス先生を訪問し、発達障害の児童に適したSSTを作成するために意見交換を行った。この訪問で得た情報と、平成27年度に実施した調査の結果を合わせて検討し、平成28年度に実施するSSTプログラムの内容を決定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に予定していた、発達障害の子どもの二次障害発生機序を明らかにするためのデータを収集し、平成28年度に実施するプログラム内容の検討に着手しているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、10月頃より1回目の、1月頃より2回目(ウェイティングリスト統制群)のSSTプログラムを実施することを予定している。したがって、8月頃までにSSTプログラムの内容を最終決定し、8月から9月にかけて参加者の募集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に産前産後の休暇又は育児休業による中断をしているため、平成26年度に使用しなかった金額が次年度使用額として生じている。また、平成27年度の前年度未使用額が68,243円生じているのは、データ収集および解析のために人件費を予定していたが、依頼先とのやり取りを申請者が直接することが多かったために使用しなかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、SSTプログラムの実施を予定しており、プログラムの実施者や補助者に支払う人件費が必要となる。次年度使用額はこの人件費に使用する予定である。
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