本研究は二次障害の実態を明らかにし、対人行動と不適応の関連を検討したうえで、二次障害を予防するためのSSTプログラムを開発しその効果を検討することを目的としていた。二次障害の実態については保護者評定では内在化障害が存在することが示唆された一方、自己評定では不安や抑うつが一般児童の得点と変わらないことが示された。また、本研究で実施したSSTによって4名中3名の不安が低減したことから、本プログラムは不安の低減に効果があることが考えられる。参加者はいずれも深刻な不適応状態には陥っておらず、この段階で不安を低減させることができる本プログラムは二次障害の予防プログラムとして有望であると考えられる。
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